PDF-FD療法
PDF-FD療法とはご自身の血液に含まれる成長因子を抽出し、濃度を高めて注入することでより多くの成長因子の作用が期待できる治療法です。
PDF-FD療法は血液から成長因子を取り出して凍結乾燥(フリーズドライ)したものです。関節症、関節周囲の靭帯、軟部組織の治療に活用されています。
PDF-FD療法は個人の血液に含まれる成長因子の働きを活用した治療です。そのため、効果も持続力もばらつきがあります。個人の血液に含まれる成長因子の働きによって効果が変わるので、あまり働きが強くない方の場合には効果が薄かったり、逆に働きが強い方の場合は思ったよりも効果が出ると言ったことが想定される治療となります。
例)怪我をするとカサブタができて痛みを抑えて傷を修復しますが、それには血小板が放出する成長因子が関係しています。血小板が傷を治す際に放出する成長因子の働きを活用し、人体がもともと持っている「治癒力」を高める治療法です。
PDF-FD療法に期待される効果
症状(主に疼痛)の改善です。関節内で炎症を起こしているような場合、PDF-FDを関節内に注射することで、炎症を抑え、痛みや腫れといった症状の緩和が期待できます。
その効果は個人差があるものの一定期間続き、約3ヶ月から1年ほど持続するかたも見られています。この持続力を活かし、症状が抑えられている間にリハビリテーションを行い、QOL(生活の質)の改善へとつなげます。再生医療という言葉から連想されるような、すり減った軟骨や損傷した半月板に対する著しい修復効果は期待できません。
成長因子の3つの効果
PDF-FD療法で改善が期待できる疾患
最も活用されている疾患は変形性膝関節症です
その他に報告例としては膝関節以外の各関節症・関節炎・腱板損傷・関節唇損傷・靭帯損傷・靭帯炎・足底筋膜炎・アキレス腱炎・膝蓋腱炎・上腕骨外側上顆炎・上腕骨内側上顆炎など筋付着部炎などがあります。
治療の流れ
①採血 血液を採取します
②製造工程(約2~3週間) 採取した血液を血液センターに送り、検査・加工を行います
③注入 製造された製剤を幹部に注入します(加工後6か月間は保存可能の為タイミングが選べます)
・副作用 リスク
注射部位に痛みを感じたり、発赤・腫れ・熱感などを生じることがあります。
ご自身の血液をもとに製造されるため、拒否反応や感染症リスク、その他副作用が少ない治療法となります。しかし新しい治療法ということもあり、長年蓄積された臨床データはありません。したがって今後新たな副作用などが発見される可能性がゼロではありません。
費用
PDF-FD療法については健康保険の適応がないため自由診療(全額自己負担)となります。
費用はご相談ください
(特殊な血液の場合は精密検査が必要になり追加費用がかかる場合が極稀にあります)
※PDF-FD療法が受けられないかもしれないかたがいらっしゃいます
・現時点で癌を患ているかた
・過去に血液や骨の悪性腫瘍を患っていたかた
・右記の感染症のかた(HIV・HBV・HCV・梅毒・HTLV-1)